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 「三分間あなたの幸せを祈らせて下さい」という人が歩道橋などに立っているのを見たことがあるだろうか?神慈秀明会である。元々は救世教から別れたものなので、救世教と同じ岡田茂吉を教祖とする。私は実際にこの教団に一年ほど入っていたことがある。2回の講義を受ければ必ず入信すると言われ、試してみるつもりで2回の講義を受けたところ、無理矢理「お御霊」というペンダントを買わされ、信者にされてしまった。そして、それから何回かこの宗教の会合に出かけた。この宗教の存在はかなり以前から知っていたが、入信したきっかけは、私のアパートに尋ねてきた秀明会の女の子が綺麗だったからというだけの理由である。その子は私の大学の後輩で、税理士を目指して大学院で勉強中だと言った。私には鬱病の持病があったので、「鬱なんだけど治るんですか?」と尋ねたところ、「ノイローゼになった人がお御霊をかけた途端に顔が明るくなったのよ。」と言うので、試しに講義を聴きに行ったのだ。そうすると、なぜか入信させられた。入信の証が、首から下げる「お御霊」である。因みに、お光りさんの系統の宗教は必ずこのようなペンダントを首からかける。そして、それが水に濡れたりすると「ご無礼」があったと言って、もう一度何万円というお金で買わせるのだ。  私は大学時代にもこの宗教の勧誘にかかったことがあった。そして当時京都にあった教団の本部まで行って「第一講」を受けたことがある。この時に感じたことは「何て感じの悪い宗教なんだろうか?」ということであった。私は小学校6年生の頃から宗教遍歴を始め、様々な宗教を渡り歩いてきた。だから勧誘を受けて何となくその神慈秀明会の当時の本部へ行ったのである。(当時の本部は京都にあったが、後に紫香楽に移る)中に短大生の女の子がいた。そして、敬語も一切使わずに言った。  「この教えに入ったら血がきれいになるのよ。試してみたら?」   「いや、僕はいろんな所へ行っているから特に何とも思わないよ。」  「やったら、試しに2回講義を聴いて。そうしたら必ずどんな人でも入信するから。」  「(二回講義を聴くだけで『必ず』入信するなんて何か裏があるに違いない。)」
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