8人が本棚に入れています
本棚に追加
そう思ったが、とにかく講義を1回だけ聴いた。特に目新しい話なんかなかった。そこらにごろごろ転がっている(日本には20万団体の新興宗教がある)新興宗教じゃないかと思った。
講義が終わると、またその短大生が話しかけてきた。
「すごいやろ。こんなすごい所ないで。」
「(こいつ馬鹿じゃないか?真光の方がもっと奇跡は起こってる)。」
そう思って言った。
「真光の方がすごいと思うよ。」
「きゃー。真光なんて気持ち悪い。そんな話やめて。」
「じゃあ、救世教はどうなんだ?」
「あそこは星の光、私達は太陽の光なんよ。」
あまりにも馬鹿馬鹿しくなったので、「二度と行くか」と思った。
しかし、就職して2校目の学校にいる時に「その子」がいきなりアパートにやってきた。大変な美人であった。聞くところによると、自分の大学の後輩であって、税理士になるために別の大学の大学院へ行って勉強中で、そのかたわらに布教活動をしているらしい。 「ごめん下さい。」その子がインターフォンを押して言った。
「何ですか?」インターフォンごしに声を確認する。
「すみません。三分間あなたの幸せを祈らせてもらえませんか?」
「ああ、神慈秀明会ですね。」その答えに相手は驚いたようである。なぜすぐに神慈秀明会なんてわかったのだろうか?と思っているのだろう。私は暇だったので即答した。
「どうぞ。」その子が部屋へ入ってくる。大変な美人だ。
「僕は以前京都の本部へ行ったんですけど感じ悪かったですよ。」
「それはごめんなさいね。」
「あなたはお仕事をしているのですか?」
「いえ、大学院生です。大学は○○大学の商学部を去年卒業しました。税理士になろうと思って別の大学の院へ行っています。」
「僕は鬱病なんですけど治りますか?」
「ええ。この前もノイーローゼの人がいたんですけど、お御霊をかけた途端に顔が明るくなりましたよ。」
「じゃあ、とりあえず講義を聴いてみます。」
最初のコメントを投稿しよう!