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 そうして講義を聴きに出かけた。そんなに感じの悪い人ではなかった。そこで、二回講義を聴いた。講義を二回聴くと必ず入信すると言ってたけど、どうなるのだろうか?  そう思っていると講師は告げた。  「ではお御霊を今から持ってきます。」  「あの、ちょっと待って下さい。私はまだ---。」と言おうと思ったら無理矢理お御霊を授けられ、何万円ものお金を取られた。それから一年間くらいお御霊をぶら下げていたようである。その後、私はそのペンダントをキリスト教会で処分してもらった。勿論、御利益などなく、一度お御霊が汚れて「ご無礼があった」と言って何万円もとられた。  最近ではこの会は紫香楽に大聖殿を作り、何でもホルス神を買って、それが自慢らしい。元々岡田茂吉は古物商だったので、お光りさん系統の宗教では美術品の収集をしている所がある。世界救世教の熱海の本部にも尾形光琳の風神雷神図がある。    (エ)お光りさんの系統3。真光。  真光の教祖は岡田茂吉ではなく、岡田光玉である。しかしその内容は似ている。岡田光玉没後はこの教団も崇教真光と世界真光文明教団に分かれた。そして世界中に支部を持ち、公称信徒数も両教団を合わせて百万人いる。  この教団では三日間の研修を受ければお御霊をかけて手かざしが出来る。そして私もこの研修に二日間だけ参加した。参加した理由は本当に自分に憑依していた霊が出てきた(浮霊という)ので驚いて信者になろうとしたのだ。(現在の私ならそんなことくらいでは驚かないが。)その時の体験を話そう。  導師という人がやって来ていきなり私に「手かざし」をした。すると、なぜか腕が震えだし、光に目が眩んだように顔を背けた。そこで導師は言った。  「狸か?」なぜか私は首を縦に振る。  「どうしてこの人に憑いたんだ?」  「山へ行った時に憑いたのか?」また首を縦に振る私。  「面白がって憑いたのか?」  こんな形で「狸」は一言も発することなく終わった。最後に導師が「お静まりー。お静まりー。お静まりー。」と言って終了だ。       
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