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プロローグ
「お父様。 やはり異世界の勇者を召喚するしかありません」
そう叫ぶのはこの国・ジュエンクラーラの王の娘であるテイラ・マークラス。次期国王として、日々鍛錬を積んでいる彼女だが、この国はもうすぐ崩壊することが目に見えていた。
そんな事実に彼女はどうにか打開策を講じ、異世界勇者を召喚することによってこの世界の物語を再度構築しようと考えたのだ。
「だが我が娘テイラよ。 異世界の勇者は危険だ。 世界の均衡を壊し、この物語を崩壊させることもある」
王の言うことも一理ある。
異世界の勇者は絶大な能力を持ち合わせ、どの物語においても最強であることが多い。だが諦めきれないテイラは、次期国王として意地を張る。
「そこはお任せてください。 安全かつ最高の勇者を連れてまいります」
「どうやってそれを決めるのだ?」
「それは……」
「まあ良い。 テイラがそこまで言うのだ。 次期国王として責務を果たして見せよ!」
「ありがとうございます。 お父様!!」
テイラは王の許しをもらい、嬉しさの余り礼儀を忘れ、王室を飛び出していった。すると、王の下へ大臣が慌てて駆け寄る。
「陛下良いのですか?! 何が起こるか分かりませんよ」
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