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「良いのだ。 既にこの世界は終わろうとしている。 最後ぐらい自由にしてやっても良いだろう」
「左様でございますか……」
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
自室へ戻ったテイラは早速召喚の儀を始める為、鼻歌を交えながら準備を進めていた。
「~♪ ~~~♪」
異世界人の召喚術式は既に他の物語の英雄が公開されており、簡略化までされている。なので至って簡単で、魔法陣を複製し魔力を流すだけで完了する。
「うん! 魔法陣はこんな感じでいいかな。 あとは誰を呼ぼうか―――」
ここでテイラは王に宣言した言葉を思い出す。
『“安全かつ最高の勇者を連れてまいります”』
その言葉を放ってしまったことを今更ながら後悔する。頭を悩ませいくら考えても良い方法が思いつかない。
「んんんんん!!
…………あっ、そうだ。 いいこと思いついたわ!」
するとテイラは自分の机の下から、光輝く石を取り出す。その石はただ単に光輝くだけの石ではない。好きな神と交信できる特殊な力を持った石だ。これも、異世界召喚の術式同様で、他の物語の英雄が開発したものだ。
テイラはその石を両手で握り、想いを告げる。
「―――我らが神々よ、答えたまえ。
―――異世界から彼の者を呼び醒ます神・シュヴィ!!」
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