Prologue:「死神」が壊すもの

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「あれ?何ともない…なあ、この怪我したのって3日位前だよな、なんで治るんだ?」 『治す事など造作もない…ただこの状況で行うのは初めてだからなぁ』 「これと同じ事を俺も受けるって事か?」 『それがMasterからの指示だったし…次は夜叉の番だからね』 「ち、ちょっと待て!俺にだって心の準備ってものが…」 『問答無用!男なら腹を決めろ!』 そう言うと有無を言わさず夜叉の許へ行き、服の上から手を当てる。 熱を帯びた瞬間、あたしは夜叉から手を放す。そして背中を押すと、夜叉は前傾姿勢になった。 「おい、兄貴に何してるんだよ!肋骨だってまだ治ってねぇんじゃ…」 「何するんだ…って、あれ?まったく痛みがない」 『治すって言ったじゃん。何で言う事聞かないかなぁ…』 「碧流(あいる)の遺体に縫合痕がなかったって言うのは、こういう事か?」 『あたしは知らないよ。記憶にないから。紅焔がやったってMasterは言うけどね』 「これならRookとMariaは必要ないんじゃ…」 『「Star」と「Strength」の必要性は無くなっては困る。 あの2人がいないと誰が怪我人を手当てする?』 2人の言葉に半ば呆れながら、オッドアイ(紅と蒼の瞳)蒼焔(あたし)は呟いた。
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