第一章・―声優? チャラ男じゃねぇか―

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 しかし言った途端、どこにスタンバイしていたのか、ガラケーが顔にぶち当たる。 「あぁぁ……! めっちゃ痛い……!」 「せ、先生……! 説明すれば理解してもらえます!」  顔面直撃したガラケーを、地面に落ちる前に器用にキャッチしながらも、相当に痛いのか嘆く関を椿が庇う。 「か、角が顎に……!」 「当たり前です。当たるよう角度を計算しましたから」 「樒ちゃん相変わらずキツいねー」  高畠やスタッフは樒の反応にすっかり慣れているのか、止めるどころか呆れて笑うばかりだ。 「関さん、先生もちゃんと声優のお仕事、出来るんですよ」 「……え? 先生も?」 「はい。関さんと同じ事務所に、声優としても所属しています」  怒り心頭の樒を必死に押さえつつ、椿がそう説明すると、関の目が点になる。 「……え。嘘……。ま、まさか……関、関智也(せきともや)……さん……?」  言われて心当たりがあったのか、狼狽えながらも樒に視線を移し、信じられないものを見るように呟く。 「確かそんな名前でしたね」  そんな関を、樒が鼻で笑う。
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