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しかし言った途端、どこにスタンバイしていたのか、ガラケーが顔にぶち当たる。
「あぁぁ……! めっちゃ痛い……!」
「せ、先生……! 説明すれば理解してもらえます!」
顔面直撃したガラケーを、地面に落ちる前に器用にキャッチしながらも、相当に痛いのか嘆く関を椿が庇う。
「か、角が顎に……!」
「当たり前です。当たるよう角度を計算しましたから」
「樒ちゃん相変わらずキツいねー」
高畠やスタッフは樒の反応にすっかり慣れているのか、止めるどころか呆れて笑うばかりだ。
「関さん、先生もちゃんと声優のお仕事、出来るんですよ」
「……え? 先生も?」
「はい。関さんと同じ事務所に、声優としても所属しています」
怒り心頭の樒を必死に押さえつつ、椿がそう説明すると、関の目が点になる。
「……え。嘘……。ま、まさか……関、関智也……さん……?」
言われて心当たりがあったのか、狼狽えながらも樒に視線を移し、信じられないものを見るように呟く。
「確かそんな名前でしたね」
そんな関を、樒が鼻で笑う。
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