第一章・―声優? チャラ男じゃねぇか―

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「俺、駄目だったんですか……」 「先生、アニメ化の話は決定事項なんですよ」 「樒ちゃん昔から頑固だからねー。でも、ボクもやっぱり、アニメ化はして欲しいなぁ」  意気消沈する関に、嘆く椿。笑いながらも、諦める様子もない高畠に囲まれて、樒が困った表情になる。 「皆さんも、先刻の収録が良かったと思うんですね」 「はい!」 「当たり前ですよ!」 「良かったと思うけどなー」  口々に言われて考えていたが、やはり気持ちは変わらないらしく、首を横に振ると続ける。 「やはり。賛成はしかねます」 「やっぱりダメだねー。樒ちゃんにも意地があるもんね? でも、万が一を考えて誘ってみたんだけどなー」  高畠も先刻の収録に感銘を受けたらしい。 「このまま帰っちゃうの?」  全力で椿に止められながらも、ものともせずに出口まで歩こうとする樒を止める。 「収録は終わりましたので」 「晩御飯、食べに行こうよ。久し振りなんだし」  一刻も早く帰りたかったのか、すげなく返すのにすら慣れている高畠に、動きを止めた樒が視線を寄越す。  そうしてため息を吐くと、渋々といった形で頷いた。
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