第一章・―声優? チャラ男じゃねぇか―

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「先生の本は全て保存用、観賞用、読書用、布教用と、四冊ずつ持ってるんですよ!」  聞いて、ぴくりと反応してもらえたのが嬉しかったのか、関はにこりと頷く。 「先生の本、声優仲間や親友や友達に布教してます。めっちゃ評判良いって、あいたぁっ!」  それこそめっちゃ良い顔して言ったのだが、喜んでもらえるどころか、額に怒りの青筋を浮かべた樒が思い切り殴りかかったのだ。 「せ、先生ー! いきなり殴っちゃダメです! 関さん悶えてるじゃないですか!」  女性が慌てて二人の間に割って入るのに、全く構わない樒がドスの利いた声音で凄む。 「……チャラ男さん。チャラ男さんは書籍の事を一体何だとお思いで?」 「はい! 先生の本は俺の宝物です! 後、俺の名前は関ですよ!」  殴られた箇所をさすりながらも、素直に答える関に対して、盛大に舌打ちした樒が続ける。 「書籍は読む物です。見るものではありません。まして保存するものでもありません。チャラ男さんは、僕の事を愚弄しているのですかね?」 「……? 尊敬してます」  先生が生徒にする説教みたいになってきたところで、関がほんの少し意気消沈する。
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