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「何か嫌なことでもありました?」
「別に」
「じゃあ、心配事とか?」
「ない」
「後輩の私に話せることなんてないかもしれませんが……」
「そんなことない!」
食い気味でそう答える先輩に、私は目をぱちくりとさせた。
「あの、先輩?」
「あ、いや……。べ、別に平井が後輩だからとか……そんなのは関係ない」
私はまた吐息をついて、表情を緩める。
前もこんな風に食い気味に反論してきたことがあったけれど、その時も今も同じだ。
私に対する気遣い、優しさ。その証拠に、反論した後は照れたような表情で顔を赤くしている。
本当に何なんだろう、この人は。
先輩にも関わらず、そんなことを思ってしまう。
つまりは、その。
……可愛すぎなんだよ、このぉーーーーー!!
ピュアか? 乙女か!? 少女マンガのヒロインなのか!?
心の中で身悶えしつつ、顔は何とか平静を保つ。なかなかハードかもしれない。
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