(3) はじめての……

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「何か嫌なことでもありました?」 「別に」 「じゃあ、心配事とか?」 「ない」 「後輩の私に話せることなんてないかもしれませんが……」 「そんなことない!」  食い気味でそう答える先輩に、私は目をぱちくりとさせた。 「あの、先輩?」 「あ、いや……。べ、別に平井が後輩だからとか……そんなのは関係ない」  私はまた吐息をついて、表情を緩める。  前もこんな風に食い気味に反論してきたことがあったけれど、その時も今も同じだ。  私に対する気遣い、優しさ。その証拠に、反論した後は照れたような表情で顔を赤くしている。  本当に何なんだろう、この人は。  先輩にも関わらず、そんなことを思ってしまう。  つまりは、その。  ……可愛すぎなんだよ、このぉーーーーー!!  ピュアか? 乙女か!? 少女マンガのヒロインなのか!?   心の中で身悶えしつつ、顔は何とか平静を保つ。なかなかハードかもしれない。
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