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「先輩が眉間に皺寄せてたら、私が眼鏡を勧めた一番の理由が意味のないものになっちゃうんですけど」
そう言うと、藤沢先輩は不思議そうに首を傾けた。
「え? 本が読みやすいって理由だったよな?」
「え……」
「別に視界はクリアだから本は読みやすいけど」
そういえば、そんなことを言ったかもしれない。
が、しかし! それは一番じゃありません!!
「まぁそれもありますけど! 一番は眉間の皺、皺なんですっ!」
「声でかい」
「うっ……」
興奮してつい声が大きくなってしまうのは私の悪い癖だ。図書委員にはあるまじき悪癖……!
でも、以前なら口に指を当てたり、もっと優しく指摘してくれてましたよね?
まぁこんなやり取りも、お互いに気を許している証拠……だと思うので、一刀両断なツッコミも嬉しくないこともないのだけれど。
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