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「せっかくのインテリイケメンが台無しですっ」
「イケメン、いらない」
小声で主張すると、先輩も間髪入れずに小声で言い返してくる。
私があまりにも普通にイケメンと連呼するので、先輩もすっかり慣れてしまったようだ。
前は興味ないとか言って、赤くなってたのに。
「……先輩が悩んでるんだとしたら、軽々しく他人に打ち明けられないかもしれないですけど。でも、もし私が何か力になれるんだったらって思っただけです」
ボソリと呟くと、先輩は驚いたように目を大きく見開いた。
「平井がそんな風に思ってるとは思わなかった」
「思ってますよ。……だってせっかくの」
「イケメンいらない」
「う~……」
照れ隠しのように付け加えた言葉に先回りしてツッコまれるのも、ある意味信頼関係の表れだよね……?
私がワゴンの本を軽く突いていじけていると、背後で先輩の息を吐く音が聞こえた。
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