(3) はじめての……

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「せっかくのインテリイケメンが台無しですっ」 「イケメン、いらない」  小声で主張すると、先輩も間髪入れずに小声で言い返してくる。  私があまりにも普通にイケメンと連呼するので、先輩もすっかり慣れてしまったようだ。  前は興味ないとか言って、赤くなってたのに。 「……先輩が悩んでるんだとしたら、軽々しく他人に打ち明けられないかもしれないですけど。でも、もし私が何か力になれるんだったらって思っただけです」  ボソリと呟くと、先輩は驚いたように目を大きく見開いた。 「平井がそんな風に思ってるとは思わなかった」 「思ってますよ。……だってせっかくの」 「イケメンいらない」 「う~……」  照れ隠しのように付け加えた言葉に先回りしてツッコまれるのも、ある意味信頼関係の表れだよね……?  私がワゴンの本を軽く突いていじけていると、背後で先輩の息を吐く音が聞こえた。
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