(3) はじめての……

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「平井だって、急にそんなこと言われても迷惑だろ? だから、どうすればいいかここ最近ずっと考えてた」  えっと……悩む前にさっさと私に言ってくれればよかったのでは? 「平井は……嫌だと思ったとしても、人がいいからOKするだろ?」  ビックリはするけど、嫌だとは思いませんが。 「……いいのか?」  そもそも話をする前に協力必須とか言ってませんでしたっけ?  何だろう……。ほんっと可愛いな、藤沢先輩っ!!  私は叫びだしたくなる衝動を必死に抑え、先輩のご自宅にお邪魔することを了承したのだった。  そして、今ここ、である。 「平井、降りるぞ」 「あ、はい!」  最寄り駅に着いたようで、私達は急いで電車を降りる。  私の自宅からは反対方向とはいえ、思ったほど距離は離れていない。ちょっと頑張れば自転車でも移動できそうだ。  意外にもご近所さんだったことがわかり、益々先輩に親近感が湧いてきてしまった。
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