始まりの日

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もういいや、とようやく動いた口からそんな言葉が出る。 少し遠目に見える軍人が敵に殺された。 敵は、10年以上前から人類と戦っている【ナニか】だった。 見た目は1つ1つ異なっていて、正確な形なんて存在していない。 最初は誰もがエイリアンだとか、宇宙人だとか言っていた。 しかし、軍や政府は正式な名称を一般市民には一切発表せず、目の前の軍人達に至っては知ってはいるんだろうけど、その恐怖の余りただ只管【化け物が!】と連呼するだけ。 ぐちゃっ また1人死んだ。 オレの目の前の軍人が死んだ。 軍人の腹は、敵の腕らしき部位によって突きつけられてそのまま貫通していた。 大量の血という赤い液体がオレの顔に掛かった。 にがい。 くさい。 いたい。 色んな味がその赤い液体から感じ取る事が出来る。 オレは13と言う歳で、人間の血という味を知ってしまう。 今度学ぶのは、オレにもその味は出せるのかと言うこと。 つまり、何が言いたいのか。 今度はオレの番だ。 死んだ軍人をそのまま投げ捨て、その【化け物】と呼称されるナニかがオレを発見する。 意識が朦朧としていたオレは、視界もぼやけていた為、その化け物が今どんな姿で、何をしてるのか、なんて理解するのは難しかった。 しかし、1つだけ確かだったもの。     
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