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「添乗員さん!」
「今日も仲がいいね」
添乗員さんの笑顔に「仲良いですよ!」って松瀬くんの腕を更に引き寄せる。
添乗員さんは私たちが付き合うことになった次の日、すぐ『もしかして付き合ってる?』って言ってきた。
どうして分かったのか聞くと、私が松瀬くんを見る表情がすごく嬉しそうだったって。
そんなに見てた? 顔に出てた?
まあ現に、鈍感な店長にも秒でバレたけど。
ぎゅっと腕を掴まれ続け、少し困ったような眼差しを向ける松瀬くんに私は「絶対、松瀬くん」、意地の悪い笑顔を向ける。
「ジェラッテるよねっ? ジェラッテルって言って!」
「だ、だから、ジェラッテるとは何なのだ」
眉を顰めながらも、少し慌てたような素振りを見せた松瀬くんを見てーー添乗員さんも「確かに」って、意地の悪い笑顔を向ける。
「ジェラッテルねっ!」
鉄砲指まで向けられ――松瀬くんはなんだかちょっと不機嫌そうに大きく息を吸うと「僕は」、私たちにびしっと言い放った。
「ジェラッテなどいない!」
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