ACT 1

21/96
前へ
/776ページ
次へ
桜果(おうか)も1回やられてるからね。プライド高そうだし、今回はなかなか手強いんじゃない?〉 「……だろうね」 《芽愛里はいいの? 桜果に……まるっと視られててさ》 夏帆は少し声を低くして言った。 でも私は「いいよ、もう」、声のトーンを上げて答える。 「気にしてたってしょうがないから」 とは言え、少し諦めたようにも聞こえたらしく、夏帆は気持ちを察するように《まあ、芽愛里にはどうしようもないからね。そう言いたくなるのは分かるけど。でも、だよ》って言ったあと――少し音量を落として言葉を繋げる。
/776ページ

最初のコメントを投稿しよう!

130人が本棚に入れています
本棚に追加