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「睦月に《入って》た食いしん坊の霊は、昨日出たって夏帆が言ってた!」
松瀬くんは「《器を還しもの》だ」、ちょっと不満気な顔で言ったあと――ちょっとバツが悪そうに、視線をハニーデップへと落としながら「ならば」、口を開く。
「今日の夜、ルームでご飯を食べよう」
「……ルームで?」
ならばって、何?
私は2人で過ごしたいのに!
どうしてルーム?
松瀬くんの部屋じゃダメなの?
私、頑張って作るよ?
結構、作れるよ?
ごちゃごちゃ思ったせいで、かなり沈んだ声になった私に松瀬くんは「夏帆は今日」って言葉を繋げる。
「すき焼きを作ると言っていた」
「え、すき焼き!」
「和牛がいっぱいだ」
「お肉いっぱい!」
ちょっと心が動かされたけど。
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