ACT 1

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「睦月に《入って》た食いしん坊の霊は、昨日出たって夏帆が言ってた!」 松瀬くんは「《器を還しもの》だ」、ちょっと不満気な顔で言ったあと――ちょっとバツが悪そうに、視線をハニーデップへと落としながら「ならば」、口を開く。 「今日の夜、ルームでご飯を食べよう」 「……ルームで?」 ならばって、何? 私は2人で過ごしたいのに! どうしてルーム? 松瀬くんの部屋じゃダメなの? 私、頑張って作るよ? 結構、作れるよ? ごちゃごちゃ思ったせいで、かなり沈んだ声になった私に松瀬くんは「夏帆は今日」って言葉を繋げる。 「すき焼きを作ると言っていた」 「え、すき焼き!」 「和牛がいっぱいだ」 「お肉いっぱい!」 ちょっと心が動かされたけど。
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