ACT 1

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袋を置いて、お釣りを渡す。 その一瞬、私の指が掌に軽く触れて、明日麻くんの顔が少し赤くなったのが分かる。 それを悟られないようにしたいのか明日麻くんは「きょ、今日は」って、慌てて手を引っ込めながら財布にお金をしまうと早口で言葉を繋げた。 「少し早く、目が覚めて。だから……来たんです」 「そっか。頑張ってね」 「はい、ありがとうございます」 明日麻くんは軽く頭を下げながら紙袋を持つと、軽く松瀬くんの方にも目を向けて出て行く。 自動ドアの向こうからまた軽く頭を下げて、走っていく姿はなんだか可愛くて。
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