ACT 1

9/96
前へ
/776ページ
次へ
「あまり、距離をつめない方が良い」 いつの間にか隣に立っていた松瀬くんに目を向ける。 「なに、距離って?」 「芽愛里のことで頭がいっぱいだ」 「明日麻くんのこと?」 「そう」 丸眼鏡の向こうから、ちらり私へと視線を向ける。 松瀬くんは生きている人の意識を感じることができる、みたいだけど。 「触れなくても分かるの?」 「強すぎる念は感じる」 そうなの?  新たな情報に私はちょっと興味を抱きながらも「強すぎるって」、言葉を繋げる。
/776ページ

最初のコメントを投稿しよう!

130人が本棚に入れています
本棚に追加