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さぁ、ここが岐路だ。
あんたの覚悟を、試させてもらおうか。
「軍隊って、なんですか?」
「また、そこからかよ……っ!」
ベトは思い切り、頭を抱えた。
ふとすると忘れがちだが、この子は無知な子供そのものだ。
言動が堂々としたり、やたら物怖じしない時もあるからあれだが。
ベトは気を取り直して、
「……軍隊ってのは、俺たちみたいなのをたくさん従えてる組織のことだ。戦争してるっつったろ? 国は、軍隊を使って戦争してるんだよ。
その軍隊が、あんたを御所望なんだと」
「わたし、を……ですか?」
「ああ。あんたの妙チクリンな力を、貸して欲しいんだろ。で、あんたはどうすんだ?
行くのか、行かねぇのか?」
「いきます」
肩透かしもいいところだった。悩みすらしないとは、失望させてくれる。
いやでもこの予想の斜め上感も、らしいといえばその通りか?
結局ベトは、感想を結論づけられなかった。
「そうか、行くか。じゃあな、短い付き合いだったが案外楽しかったぜ。ああけど、戦争を舐めん方がいいぜ? 確かにあんたは変てこな力を持ってるみたいだが、それだけでそうそう簡単にはいかないのが戦争ってもんさ。色んな奴いるし、戦略や地形とか――」
「いって、みなさんにもお願いしてきます」
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