3人が本棚に入れています
本棚に追加
「……お願い、だと?」
「はい。世界を変えたいんで、協力してくださいって」
一瞬、正気を疑った。
けれど、この自分をして協力を願い出たこの子を思い出し、現実問題に直面することになった。
「……あんた、あの連中にも助けてもらおうと考えてやがるのか?」
「助けてというか、わからないことを教えてもらおうと。そして出来たら、わたしにできないことをやってもらえたら、嬉しいです」
「……あめぇ」
俯き、ベトは低い声を出す。
それにアレは頭の上に疑問符を浮かべて頭を傾げたが、それにベトは吐き捨てるように、
「あめぇ……あんた、奴らのこと知らねぇからンなこと言えンだよ。奴ら人の命なんて、道端の石くれ以下ぐらいにしか考えてねぇンだぞ? 人が死のうが生きようが、自分たちの利益さえ守って、人の利益を奪えればそれでよしとしてる連中だぞ? そんな奴らに、話が通じるとでも思ってんのかよ!」
最初のコメントを投稿しよう!