3人が本棚に入れています
本棚に追加
「はい、みなさん本当に良い人たちです。わたしみなさんにお会いできて、本当に幸せでした」
「そうか……」
そして二人は、国軍にと向かい合った。
相手方は、24。
みなプレートメイルに槍、剣を帯び、馬に乗っている。
対してこちらは軽装もいいところの、歩兵だ。
アレに至っては戦力外と言っていい。
まったく、これでただの用件だとは笑わせてくれる。
「なんか用か?」
「アレ・クロア、という少女はお前か?」
「かっ、こっちは無視かよ。おい」
「答えよ娘、お前の名前はアレ・クロアか?」
「はい、そうです」
チンピラよろしく軽い感じで声をかけるベトを黙殺して声を荒げる先頭の男に、アレは優しい微笑みを向ける。
相手が目的の人物だと確認した男は口元を歪め、
「ほう……貴様が話に聞く、魔女か」
一瞬だった。
隣にいたのがベトでなかったのなら危なかったかもしれない。
男がまったくのノーモーションで繰り出した槍を、ベトもまたノーモーションの抜刀で繰り出した剣で、弾き飛ばした。
狙いは真っ直ぐ、アレだった。
最初のコメントを投稿しよう!