革命 -revolt-

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 その凄惨な光景に、連れたちが慌てる。  ベトはその血を避けもせず浴び、口元で舐めとった。  理解した。  自分の立場を。  そうか。  ならもう、後戻りはできないな。 「アレ」 「はい」  驚いたことにアレもまた、バケツでひっくり返したような血を浴びていた。  全身で。  それによりトレードマークの銀の髪と薄汚れてはいるが白いローブは、赤くまだらに染まる。  それは見る者を引き攣らせる異常な光景だったがその中で、アレはいつものように笑っていた。  快活に。  それにベトも、いつものように不敵に笑う。 「世界を変えるぞ」 「はいっ」  アレの声は、晴れやかだった。  全滅させるのに、二時間もの死闘を演じることになった。  結局は傭兵仲間たちも手伝ってくれた。  それがなくては、逆にやられていたのは確かだったただろう。  なにしろアレは、ただ見ているだけだったのだから。  それではベトと国軍の、1対50の構図だ。  いくら勢いどったと言っても、無謀な数字だろう。 「さて、こっからどうすっかな?」  ベトは頭をかきながら――血に濡れているためいつものようにふけは飛ばなかったが、 「これで俺たちは、国を完全に敵に回した形になるな」  その声は内容と反して、微かに嬉々とした響きを持っていたものだった。  それにアレもなぜか笑顔で、 「そうですね。ではわたしたちは、どうしたらいいと思いますか?」 「城に乗り込もう。現国王の首を取れば、相手方も誰を相手にしているのか、否応なしにわかるしな」 「……本気で言ってるのか、ベト?」
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