乾杯

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乾杯

「ここだよ。」 木村は 予約してくれていたバーに スマートに案内してくれた。 駅から少し歩いた場所にある 隠れバー。 外国のような内装、お洒落な雰囲気、 かっこいい洋楽。 「わー!おしゃれ!」 大はしゃぎの私を前に 木村は満足そうだった。 常連らしく バーテンダーの人と親しげに挨拶を交わしていた。 椅子をひいて席に座らせてくれ、お酒の種類の多さに戸惑っていると丁寧にオススメ品を教えてくれた。 「木村ー!もう、何から何までありがとう!」 「こちらこそ、俺の行きつけの店にしてくれて ありがとうね。気に入ってもらえたみたいでよかった。」 私は感激していた。 同い年で ここまでスマートな対応をしてくれる人に初めて会ったのだ。 仕事柄年上の人とばかり接していたので 同年代が子供に見えてしまっていた時期だったが 木村は同年代より遥かに大人びて見えた。
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