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ソフィーたちが生きている国は小さいが大変に豊かで、それだけに、ここ数十年、常に国際問題の波にさらされてきた。
それがいよいよなあなあで済ませられない状況となり、近隣諸国と何が勃発するか分からない今、世論も戦うか否かの二択に分かれつつある。
遥か東の島国も似たような状況であるとは聞くが、ソフィーの国と決定的に違うのは、兵器を作っていない事であった。
それに対してソフィーの国は、花火職人さえもかき集めて自衛という名の火薬を蓄え、「真実の目」と謳われるほど国際的な信頼を得ている記録士を使って、戦争の大義名分を得ようとしている。
記録士の仕事はあくまで記録するだけであって、その記録をどう利用するかまでは、ソフィーにはどうする事もできない。
職人も記録士も、政府という大きなものの前には従って生きるしかなかった。
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