77人が本棚に入れています
本棚に追加
エドガーは、先代伯爵のマイルズに連れられ、カニンガム家にやって来た。
不幸な事故により失った愛娘・レイチェルの身代わりとして、半ばさらわれるように屋敷に引っ張ってこられたのだ。
洗練されたクマと形容される男と街の孤児。通報されなくてよかったと、心の底から思う。
屋敷に到着すると、すぐさま風呂に入れられ、髪を梳かれ、上質な布地のドレスに着替えさせられた。
仕上げに赤銅色の地毛を黒髪のかつらで隠せば、仕度を手伝っていた若いメイドが「レイチェルお嬢様・・・」とむせび泣く。
連れてきた本人であるマイルズにいたっては、人目もはばからず号泣する始末だった。
お嬢様はずいぶんと愛されているもんだな、と首をかしげるエドガーだが、次に通された部屋で、その真意を知ることになる。
最初のコメントを投稿しよう!