4:本の捨て子

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◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎  月曜日に、柚原少年は再び辺境図書館にやって来た。しかも、悠宇君と一緒に。 「一緒に行こうって柚原を誘ったら、行くって云ってくれたんだ」  と、悠宇君。二人は学校で親しくなったようだった。悠宇君とせあらが夕飯を食べるのを、柚原少年もケーキで附き合った。 「ま、」  ”また来てくれて嬉しい”  せあらが筆談で彼に伝えると、柚原少年はやや照れたような表情になった。もう、せあらを睨むことはない。(けん)の取れた彼の睛は、可愛らしかった。 「あの詩が書いてある本って、どれですか、」 「し?」 「あの、メモ帖の……、」  金子みすゞの詩のことだろう。
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