4:本の捨て子

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「待ってて、くれるか、」 「は、」  はい。  せあらは(ジン)の睛を見つめ返して頷いた。  なおも神は確かめる。 「どれだけかかってもか、」 「は、」  はい。  何度だってせあらも頷くつもりだった。ふふ、と、笑うと、神も口元を綻ばせる。 「永遠でもか、」  永遠をかけて、このひとは自分に物語を書いてくれると云うのか。ならばもちろん、永遠待とう。せあらは思った。
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