レンタル奴隷

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ストレスを貯めるごとにテレビの中の世界に苛立ちをぶつけるのにも限界があると思っていたところだ。  パパもママも、僕に甘い。僕が望むものを僕に与える事が、二人にとって快感になり、それが親の務めであると思っている。証拠に、物欲に至っては今まで100%叶ってきた。 風呂から上がり、ビール缶のプルタブを引くパパの隣に腰を下ろした。 「パパ、僕、これが欲しい」 目を丸くして、掲示するチラシを見て口をだらしなく緩めるパパ。なら早速電話しよう、と、24時間フリーダイアルに電話をかけはじめた。 「こんなんが奴隷か?」  パパの呆れたような一言に共感した。雑巾。それも長年使い古した、例えていうなら小学校の掃除箱に置いてある雑巾のように汚い、人間のような形をした、目の前の奴隷。 臭い、汚い、僕の家に足跡を残すことに嫌悪感を抱きつつも、新しい玩具の到着に踊っている心は逆らえなかった。  くたびれてボロボロになった革製の首輪の後ろに、一枚の汚い紙がつけられていた。挨拶がてらに後頭部の髪の毛をつかみ、紙を引っ張り内容を読む。     
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