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部屋に戻ると、本の減った部屋はだいぶ片付いていた。
そんな綺麗になったはずの部屋が少し物足りない。
ボト、ボト、ボト。綺麗になった部屋に私の一部が落っこちて散らかるのを感じる。
私を作る構成物のいくつかが落ちて、どこかががらんどうになる。
本当に取っておきたい本はしっかり残しておいたのに、ぽっかり自分に穴が開く。
手放すことにした本も、全く心動かされない本はほとんどなかった。
図書館に行く。
またすぐに本を増やしたら元のもくあみになってしまうので、とりあえず借りて済ませることにする。
貸し出し手続きはしておいてから、せっかくなので図書館で本を読む。
騒がしい子どもの声も遠くなるくらい、新しい物語に入り込んで行く。
綺麗な花の情景描写、雪降る表現、空の色加減。
楽しいのに集中できない。
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