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「私と貴女は一体何の関係が…!」
アリスは蹴られて痛む腹を手で抑えながらメアリアンに問う。
「このそっくりな顔を見てまだわからないのかい?私と貴女は姉妹なのよ!双子のね!」
メアリアンの顔は雷の光で暗転する。
続けてメアリアンは恨む理由を告げる。
「本来なら私が自然に囲まれて牧歌的な家庭に生まれ、幸福に慎ましく暮らし、後に勇者となるはずだった…しかしあんたが全てそれを奪い、私はこんな惨めな誰かのメイドとしてこき使われなければならない日々を過ごしている…それが理由だ!」
メアリアンの怒気、いや殺気を感じさせる表情はアリスに恐怖心を与えるのに充分だった。
しかし恐怖だけではまだ足りない、その後アリスにとって本当の地獄と絶望がはじまるのだ。
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