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スノーラビットはマジックを見せたかと思うとワンダーキーを出現させていた。
それは春兎自らがアリスに手渡し、アリスに勇者としての使命を託す為に渡した神秘的な輝きを灯す鍵だった。
「な、何故貴方がそれを…!」
春兎狼狽える。
何故アリスが持っている筈のワンダーキーをスノーラビットが持っているのかと。
「さっき、アリスと言う少女に会ってきましてね…」
スノーラビットは説明をする。
ーーー数時間前
アリスは触手に捕らえられ、ただっ広い廃墟の中で身動きの取れないままもがいていた。
「苦しい…誰か…助けて…!」
アリスは悲鳴を洩らす。
そこにスノーラビットが姿を現した。
「スノーラビットさんっ!」
アリスはスノーラビットを見据えるや助けを求めるかのように悲鳴に近い声を上げた。
「貴女には勇者の役目は荷が重過ぎたようだ…」
何とスノーラビットはアリスに冷たい一言を放った。
しかしアリスはそれを黙って聞いていた。
「怒らないのか?」
「…それは認めています…私は最初から勇者なんてなれっこ無かった…」
アリスの目からは涙が流れ出た。
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