まさかの出会い

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まさかの出会い

かわいい、誰この子?夢?妄想? 「大丈夫ですか?たてますか?」 あ、実在してそう。 いやいや、柊しっかりして!もう30歳になるのに若い子に面倒かけちゃダメ!ここは意地でもしゃんとしなきゃ。 「大丈夫、ありがとう。気にしないでうっ!」 無理にしゃんと立ったからか急激に吐き気が!この子の前で吐きたくない。私、しっかり!頑張れ! 「吐きそうですか?袋持ってますよ」 うっ、優しい、けど、無理ちょっと座ろう。 私はきちんと立つ事を諦め、道路の端で電柱にもたれて深呼吸しながらそのままズルズルと座った。 ぼやけた目で彼女を見ると、ちっちゃくて華奢で可愛くて本当に天使じゃないの?と思ってしまう程の可愛い顔が心配そうに覗き込んでいた。 私は途切れがちの意識と戦いながら何とかしっかりしようともがきながらも、ホント可愛いな、付き合いたいなんてぽやっと考えていた。 私は呂律の回らない口で何か言ったらしく彼女はちょっと顔を赤くしてありがとうございます。と言った。 私、何言ったのかな?ヤバイこのままでは記憶ない状態で、何か取り返しのつかない事をしでかしそうだ。 その前に帰らなきゃ!そう思って再び立ちあがろうと試みると、彼女は掴まってと言ってくれる。 けど無理でしょ、物理的に。 私172センチあるよ。昔バスケ部でねって、どーでもいいよね。 私はふらつきながらも、とにかく大丈夫だからあなたは帰っていいよ。と、何とか伝えた。 彼女は困った顔をしてたけど 「タクシー呼んできます!」 と走り出そうとしたので全力で止めた。 何故なら家は100メートルも離れてない場所にあるから、それを必死で説明して私はなんとか立ち上がった。 立てた、とりあえず帰れそう。 今更だけど彼女を見て余裕の笑顔でかっこつけてみようと思ったけどふっらふら。 うん、かっこ悪。 彼女は 「掴まってください、ちょっとの距離なら大丈夫ですから」 と言うのでさすがに意地張ってる場合じゃないとちょっとだけつかまる。 片手を近所の塀に添えてちょっとずつ進む。 「ごめんね、カッコ悪い大人だね私…。あなた、この近所なの?」 と話しかけた。 かなり怪しい呂律だけど通じたみたいで 「はい、近所です。」 へぇー見たことあったかな?こんな可愛い子なら覚えてそうだけど、知らなかったなぁ。そう思って 「最近越してきたの?」 と聞くと 「はい、1ヶ月ぐらい前です。会社に近いので。」 そーなんだ。ラッキーだなぁかわいいし。付き合いたいなぁ。付き合ってる人いるんだろうなぁ~。 なんて考えてたら彼女が顔を赤くして。 「あの、その、酔っててわかってないかも知れませんけど、さっきから私に告白してますけど気付いてますか?」 え?え?えーーーー!ヤバイ、ごめんなさい!声に出てた?! パニック! 「あ、ごめん。その」 何て言えばいいのかな、ピンチ。 彼女は私を見つめると「酔ってないときに聞きたいです。」と赤くなった。
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