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金曜日
春です。
あぁ、幸せ。
どーしよう、顔が勝手に緩んじゃう。
怪しい人だよね。真顔に戻れ~私!
「春!なに愛想振り撒いてんの?男共が盛大な勘違いをするよ。」
あ、千夏。おはよう♪
「おはよう、ってご機嫌だね。あ!!そっかぁ~
おめでとう!」
肩を組まれて祝福された。
「急だね、で?で?で?」
千夏、ちょっと落ち着いて。
「ね~ね~教えてよ~♪」
もう、いいけどさ。
急展開だねって?そーなの!
偶然、昨日帰りに会ってね。
送ってくれたから、お茶に誘ったの。
え?大胆・・・そーだよね。
あ、急に恥ずかしくなってきた(汗)。
でも、でもね、なんか私焦ってて、
あ、責めてない?そーだよね。
ごめん、なんかね。
私、はじめて柊さんの方から送って行くなんて、一緒にいる選択をされた気がして舞い上がってて。
でも柊さんのマンションと私のマンション、そんなに離れてなくて、すぐに着いちゃったの。
じゃあって帰ろうとする柊さんと、もっと一緒に居たかった。
だから・・・
千夏を見るとニコニコしてた。
なんか急に恥ずかしくなって。
「もう!終わり!」
急に足早になった私に千夏は慌てて駆け寄りながら
「え?なんで?からかってないよ?本当にうれしいからさ。」
わかってる。
けど、恥ずかしいよ。
「なんて告白されたの?」
え?顔から火が出るってこんな感じかも。
内緒!それは柊さんと私の秘密!
千夏はニコニコしながら
「そっか」
とだけ言った。
やっぱり千夏は優しいね。
「じゃあ今夜のデートは最高に楽しめるね。
春、今日お持ち帰りされちゃうのかな?」
私は真っ赤になりながら、
「もう!」
とだけ言った。優しいは撤回!
「ねぇ素朴な疑問、聞いて良い?」
千夏が真顔で聞いてきた。
「何?」
「春って受けっぽいけど、春も柊さん抱いたりするの?」
な!な!ノーコメントです!
「えー知りたい!」
「もーこの話終わり!」
私はしつこい千夏をかわしながら会社へと急いだ。
そんなの、私もまだわかんないし!
知らない人なら疑問なのかもだけど、説明も難しいし、デリケートな話だよ。
けど、ちょっと一人で考える。
・・・う~ん前の彼女の時は、その日の気分って、感じで日によって変わったけど・・・。
って、何、恥ずかしい。
もう!千夏のばか!
変な話するから考えちゃったじゃない!
頭を切り替え、その日の仕事に没頭した。
待ち合わせに遅刻はしたくないし。
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