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帰り道
春です。
中々刺激的な壁ドンを見た後、そろそろと腰を上げ会計を済ませると外に出た。
柊さんが食事代を出してくれた。
割勘にしようとしたら引っ越したばかりだし、無理せず人生の先輩に甘えなさい。
と、言われてしまった。
ごちそうさまです。
「どういたしまして。」
柊さんは笑顔で答えると、これからどうしよっか?
と言った。
まだ柊さんといたい、明日休みだし。
そう思ってると柊さんはちょっと考えて
「今からならレイトショーに間に合うから映画みようか?」
と言ってくれた。
はい!
私があんまり元気に返事をしたからか柊さんは
ふふっと笑った。
じゃあ行こう。
肩をそっと映画館の方に誘導されて赤面してしまった。
柊さんはちょっと困った顔で
「なんか、私まで照れちゃう。」
と言って笑った。
ごめんなさい。と言うと、大丈夫だよ。
そう言ってから
「ねぇ、敬語とか使わなくていいよ」
と言われた。その後慌てて
「あ(汗)もちろん焦らなくて良いよ、ゆっくり春ちゃんのペースで、恋人に敬語ってちょっと変でしょ。(笑)」
と…
私は思わず
「はい、あ、うん。」
と、焦って返事をすると笑われた。
はい、焦らずいきます。
・・・実は私もお願いが・・・、
ちゃん付けじゃなく呼び捨てに・・・。
言おうと思ったけど、あ、ダメ、言えない。なんか言えない。
恥ずかしいかも・・・。
・・・うん、いつか言おう。
映画館に到着。
何が見たい?と聞かれたので悩んで長考。
ホラー、アクション、サスペンス。
結局、サスペンスに決まった。
色々悩んで決まらなかったので柊さんはじゃあ間をとってサスペンス!と、決定した。
どこの間を取るとサスペンスになるかはわからなかったけど、決まったし良いよね。
うん、思ったよりホラーに近いサスペンスでアクションも盛り込まれてたから確かに間だったのかも。
などと考えていると柊さんは
「なんか、ホントに間をとったね。」
と言って笑った。
同じ事を考えてたことが嬉しくて二人で笑った。
サスペンスを見たあと笑うって、ちょっとシュールな体験だった。
家に送ってもらっておやすみなさい。と言ってから明日は会えますか?と聞くと。
「休みだし洗濯とか掃除あるでしょ?」
あ、そーですね。迷惑だったのかな?
えっと、えっと、じゃあおやすみなさい。
「あ、いや、あのね。違くて、来てくれたら嬉しいんだよ。無理しなくて良いよ。って事で。」
落ち込む私に柊さんはちょっと困った様に笑いながら。
「終わったら来て、待ってるから。」
!!!っ柊さん!!好き!!!
「はい!」
あ・・・、敬語…いや、うん、ま、いっか♪
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