天使か?

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天使か?

私、設計事務所に勤めCADオペレーターをやっている水田 柊(みずた しゅう)29歳。 アラサー女子です。 一週間前、元カノから結婚式の招待状が届いた。 元カノはずいぶん前から親に、いい加減結婚しなさい!と、言われ続け、悩んだ末、将来を考えたらこのままあなたと付き合いを続けるのは無理! と、言って去っていった元カノだ。 なんなの?嫌がらせ?私と別れて幸せつかんだって自慢したいのですか? と、心中穏やかではなかったけどスルーでしょ! とシカトしていた。 次の日なんとその元カノ、私の家の前にいました。 待ってたと ちょっとイラッとしましたが私にも意地があるのでにっこり笑って 「どーしたの?何か用?」 と聞きました。 「なんか心配になって来ちゃった」 と… はぁ?(怒)なんなの?その上から目線!と怒り心頭でしたがやっぱり笑顔で 「あはは、大丈夫だよー結婚決まったみたいで、良かったね。幸せにね~」 と全然気にしてません。と言った感じで嫌みも交じえずに本当に幸せ祈ってますって感じに言ってやった。 元カノは少しびっくりした顔をしていたが 「そっか良かった、ありがとう」 と言ってきたので 「ううん、けど結婚式は出られないかなーこの時期忙しいから、ごめんね」 と言った。 これは本当にそうなのでウソではないと、元カノもわかっていたでしょう。 「そっかそーだったね、ごめん。元気そうで良かった。私だけ幸せになっちゃったから心苦しくて」 にっこり微笑む元カノにコノヤローと思いましたが 「大丈夫だよ。幸せにね♪」 と言って別れた。 振り向きもせず、スタスタと歩きはじめながら、悔しいとも悲しいとも違う気持ちが湧いていた…。 嫌みを返さなかったのは、単にそんなことをしてまだ彼女を好きなのかもと、優越感を持たせたくなかったから。 ただ私は、彼女が幸せを掴むのに相手が私じゃなくてもいいと思ったことが1番悲しかったなと、ぼんやりと思い出していた。 次の日私は深酒をした。職場から家に帰る電車に乗り自分の降りる駅で降りるとbarがある。 普段はスルーだけど今日は飲みたい気分だった。 入るとカウンターに女性のバーテンがいて私の顔を見て端の席を手で差した。 座ると何にしますか?と聞かれたので何か強いお酒にしてください。とだけ言った。 バーテンさんはキレイな色のカクテルを出してくれた。何杯飲んだかわからなくなった頃、急にむなしくなって会計をして店を出た。 ちょっと歩くと何だか世界があり得ないほど歪んでてまっすぐ歩けなくなって電柱にもたれながら自分にしっかり!と言い聞かせていると、私の顔を覗き込む天使がいた。
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