2章 神仏拵 二胴貫

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「気をつけるのじゃぞ皆。危なくなったら、遠慮なく帰ってこい。」 「いいかザウバー。絶対にリープを守れよ。あと不幸な目に合わせたらそれも許さんからな。」  睨むような視線で言うニッカにリープは苦笑いするもザウバーはもちろんとばかりに頷いてから共に旅立つ皆に振り返って一度顔を見てから言った。 「では皆、村の為にも必ずや外の知識を持ち帰ろうぞ。」 「ええ。」 「おう!」 「了解です。」  見送りにも手を振ってからザウバー達はロスヴァスの森に入っていった。彼らの姿が森の木々で見えなくなるまで見送ってからニッカが呟く。 「本当に大丈夫でしょうか…?」 「ホッホッホ、妹のこととなると心配性じゃのぉ。大丈夫じゃよニッカ。龍王様に選ばれ、あの精霊使いになった者じゃ。必ず皆を守ってくれる。」  もしかしたら本当に彼がリザードマンの未来を変えてくれるかもしれないとシーガルは空を見上げながら思った。  その思いが後にとんでもない形で現実になろうとはこの時シーガル達が知る由もなかった。
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