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The Night World
「そろそろ外に出たいが瓦礫が邪魔だな。暗いし、砂埃酷いしでここに長居すると体に良くなさそうだなぁ…」
「ガーディアン…今の貴方に体調管理があるなんて…まだ夢を見ていますか?」
「まだ人間の名残があるんだよ!この体になる前の名残が!」
流石に人一人しか入らない…いや、本来入る場所じゃないがこんな場所に長居しても意味がないとしか思えないとエイトは目が覚めてから思ってたが思った以上にゴーストが中々話を盛り上がらせるせいで出ることを忘れてた。
「この天井になってる瓦礫をどかしたらお天道様見れっかなぁ。」
「瓦礫をどかすのはいいですがどかした後更に細かい破片などが上から落ちてくる場合があるのでそれを考慮した方がいいかもしれませんね。」
「しかしまぁ、動かないことには開く道もないだろう。」
「死んでも蘇生はしますよ。」
「あぁ、忘れてた。今の俺、骨にならないんだな。」
ゴーストは呆れた目つきでこちらを見たあとそのシェルを左右に振った。
また言ってるよこいつって思ってんだろ。
はぁ、この心の声の時間だけが愚痴のできる時間かねぇ……
「いつまで心の中で独り言を言っているのですか?」
「すまんすまん、そろそろ動きますかぁあああっ!」
エイトは全身の筋肉を使うかの如く天井になってた瓦礫を持ち上げた。
「ふんんんんんんぬぬぬぬぬぬぅうううう!」
両手を上の瓦礫に当てて足を屈伸から伸ばすように踏ん張った。
それをゴーストは笑う目つきでこっちを見てシェルをテンポよく上下に揺らしてる。
「おぉおおおぃぃいい!お前見てないでぇぇえ、手伝えないのかぁぁああ!?」
「すみません、せいぜい応援することしか…フフっ…できなくて。」
手が……そろそろ限界だ。手が震える!
「おい!何処が笑えるんだ!?」
「私また言うの忘れてましたが…私ある程度ならテレポート的なのができるんですよ。」
「はぁぁああああ!?」
その時の怒りで全身に力が入り天井になってた瓦礫は起き上がり前に倒れた。
ズダンッッ!!
砂埃がひどい
周りが暗い
今は夜か
エイトは空を見上げてその絶景に目を光らせて太陽を拝むより心から感動した。
「星が……綺麗ですねガーディアン。」
「……あぁ、一つ一つの星が輝いて見える。そして……一つ言えるのが生きててよかった…と思える。」
エイトは時間を忘れてずっとずっと空を見上げていた。この夜が終わるまで……
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