新地のクラブ

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35のおれがクラブのボーイをして5年。 大阪の北新地ではびっくりするぐらいの美人ホステスが働いている。 最近印象に残ってる、アサリもそのうちのひとり。 そんなアサリが一人の客のおっさんと結婚する。 相手の客のおっさんはグレムリンみたいな顔でパンダの赤ちゃんのような5頭身、 足は短い。年齢は不惑の40歳。自称通天閣大学卒。 でも金さえ払えば、話は聞いてくれるクラブ。 単なるセックスだけには飽きた男たちの宴。 わざと個性を出すために着ている紫のスーツ。 それに阪急梅田メンズ館で買った ディオールのネクタイをビシッと決めていた。 財布はボッテガ風。 ほんとに好きな人なら緊張してチンコ立たない やらせてというくせに肝心な時は芋を引く。そんなおっさん。 おっさんいわく、 何故、新地に来るのか。 新地で遊びたいがため、仕事頑張った。 資産十数億。行動力だけで生きてきて、結果を残した。 温泉持ってるとか嘘つくホラ吹きおじさんが多い中、このおっさんはホンマモンだった。 酒を酌み交わし、ギャグを酌み交わす。会話を楽しむ。 そしてたまにいる絶世の美女を落とす。それが趣味。 キャバクラの楽しさを10としたら、新地の美人を落とすのは 100.。 しかもあえて万札を割りばしを挟んでカラオケ歌ったチップを渡すなどの豪遊をすれば、 頭から変な汁がでて興奮度が増す。 「お顔、まっかっかですよ」 「誰がちんちんまっかっかや」 セクハラにならない世界。 話を下へ下へ持っていく。下りのエスカレーターにのせるのがうまい。 嫌味じゃない程度に。 おれはグラスをふきながらおっさんとアサリのやり取りに耳をそばだてて聞くのが好きだった。 お風呂つかるとき、思わずなんて声が出る? 「ハウル~」 ゆってみ、気持ちいいから もしくは「おらふ~」 「やっぱそっち系なんや」
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