宣伝と開店(八歳児編)

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 それから彼に何度か指導をしつつ、ウィップソードを使わせるが慣れない軌道の剣に予想以上に四苦八苦する。  手首のスナップが弱く、自分に当たったり、的に当たらなかったり。  最悪自分に巻き付くなどが発生した。  これまで使ってきた剣とは、毛色が近い過ぎるというのもあるが、彼の戦闘スタイルがゴリゴリの前衛という事もあり、トリッキーな動きが苦手のようだった。  当然ながら、剣士としての戦闘での駆け引きに使われる虚実などの技術はある。  しかし、今回の様な剣と鞭の合わせ技にも近い技術は彼にとって、人生で初の試みだ。  一発で上手く行く方が珍しい。 「気長にやるしかないね」  そう言うとやや消沈気味にルーファスが『努力します』と答えた。  大会まで後十日。  どこまでやれるかわからないが、商会の様子を見る必要がある為、毎日とはいかないが、彼の特訓に付き合ってやるとしよう。  
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