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店の営業初日はいい感じだった。
出来れば一日張り付いて見守りたいのだが、騎士団の訓練もある為これ以上、彼らを放置するわけにもいかない。
屋敷に戻り着替えると、待ってましたと言わんばかりの団長のルーファスに声をかけて訓練に向かう。
出発直前に、屋敷のメイドから『トルティオ様から試作品が届いております』と一つのロングソードを手渡された。
それを見て団長のルーファスがそわそわとしていたが、それに関しては後ほどと伝えるとこれまた目に見えて落ち込んだ。
最近、彼らが犬にしか見えない。
ボール投げたら取りに行きそうな勢いだ。
そして、到着した草原。
現在訓練の為に周囲の小さな魔物を狩り取っている。
初めて見た魔物はバスケットボールくらいのネズミだった。
最初は可愛いと思ったが、こちらを見るなりものすごい勢いで逃げてしまった。
……あまりにも見事な逃げっぷりに、キャロが『やっぱ獣は本能でわかるんっすねぇ』と言っていたので、お仕置きとしてお尻を引っ叩いた。
その時『あひぃ!』と、何やら嬉しそうだったのが正直困る。
ミミもそうだが、彼女たちはちょっとMッ気が強すぎる気がする。
それはともかく、出発前に受け取ったトルティオからの試作品を試しておこう。
形状はやや特殊。
前世で言うところのククリとよばれる、湾曲した刀身の短弧側に刃を持つ「内反り」と呼ばれる様式の刃物。
刀身の長さは六十センチ程で、重さも問題ない。
……まあ、俺のステータスのお陰って可能性もあるが。
素材は木材なので刃その物がやや分厚く、切りつけてもせいぜい表面的な傷をつける程度だ。
代案として、刃の部分をのこぎりの様にギザギザにして、表面ダメージを増やすことにした。
何よりこの武器の一番の見どころは、別にある。
刃の内部に仕込まれたギミックだ。
「それはどう使うのですか?」
ルーファスが、ついに堪えきれず質問をしてきたので、ニヤリと笑って武器を構える。
グリップをしっかりと握る。
数度その場でククリナイフを振るう。
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