騎士団大会 二日目 前(八歳児編)

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~ニーナ視点~  トルティオが慌てて騎士団の控室にやってきた  何事かと彼を中に招くと、その場に両手をついて例の兵器について深く謝罪をし始めた。  どうやら父様もアレの危険性を感じ、トルティオを呼びつけ詳しく話を聞かれたらしい。 「この度は勝手な振る舞いをしてしまい、まことに申し訳ございません」  開口一番、深く頭を下げ謝罪をしている彼に、頼みごとをすることにした。 「出来うる限り、例の兵器の設計図や制作するための手段などの情報封鎖してください」 「はい、それはもうローガン様から厳しく厳命されておりますので、はい」  トルティオは父様と話した内容を説明した。  途中、ロンベル子爵の名前が出た時『またお前か!』と言いたい気持ちになったのを必死に我慢した。  しかし、ミリアリアが裏で操られていたのは予想外だった。  あの誘拐事件では表立って動いたのは犯罪組織である毒蛇と、裏で繋がっていた悪徳商人ボンザだ。  その背後にロンベル子爵が居る事は明白だが、ハッキリとした証拠がないため奴を糾弾出来ず見逃す形となっていた。  そしてミリアリアは今でこそ護衛として身内になっているが、当時は被害者の一人という事もあって、事件の詳しい事情を知らなかった。    これは完全な情報共有ミスだ。  みんなが優秀だから、完全に任せきっていた俺のミスだ。  ここはしっかりと注意せねば。  俺はアーリア達に『今後はちゃんと連絡取り合おうね』と言うと、彼女達はその場で深く頭を下げた。  別に俺は彼女を責めるつもりは無かったのだが、アーリアたちにとっては今回の騒動について反省すべきところがあると判断したようだった。 「申しわけございません。あの一件は子供の耳に入れるべきではないと判断してしまった事が仇となりました」  うん、その判断自体は俺も納得できるし賛成する。  ただ今回は相手が悪かったという事だ。  なんでもその決定自体は、母様も同意していたそうなので彼女だけを責めるわけにはいかない。 「トルティオ、とりあえず例の武器の名前は暫定的にバリスタと名付けます。アレが衆目に触れてしまった以上、多くの貴族や力を欲する者達がこぞって手に入れたがるでしょう。それも野心の強い者もいるはず。早急にあの兵器に対する抵抗手段を模索してください」
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