知らなかったのか、ガチャからは逃げられない。

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「はっ!?」  突然意識が戻り、体を起こす。  辺りを見回すが周囲は何もない真っ白な空間。  病院?  首を傾げつつ体を触るがどこも痛くない。  夢か? というか今のこれが夢?  混乱する頭を抱えていると、すぐ近くに誰かの気配を感じた。 「やあ」  顔を上げた先に居たのは金髪ロングの超美形な男性が経っていた。 「あぇ?」 「んん? どうしたんだい、もしかして言語機能失ったのかな。結構吹き飛ばされたからねぇ、その時どっか損傷したかな?」  目の前の男性は、腕を組んでこちらをまじまじと観察するように覗き込む。 「あ、すみません。ちょっと驚いちゃって」 「よかったー。喋れるんだね」 「はい、でも……ここ何処ですか?」 「ん? あの世だよ?」 「は?」 「あの世。死後の世界、天国地獄っていえば分かる?」  淡々と告げる男性の言葉がやっと理解できた。  と、同時に血の気が引いていくのを感じた。  俺、死んだのか!? 「そだよー」  えらく軽いノリで頷くイケメンにイラッとしながら睨む。  つまりはアレか、今俺の考え読んだのも神様だからか? 「おお、理解が早くて助かるよー。流石は最近ラノベで異世界物が流行ってるだけあるねー」 「……随分とカルチャーに詳しい神様だな」 「うん、だってあの話の一部実話だからね」 「……は!? 実話!?」 「そうだよ、稀に異世界に転生してもらう事があるんだけど、毎回説明するのも面倒だから、転生者本人の了解を得てそれを本として出版してるんだよ。すると読者が転生した時に察し良くなるでしょ? 現に君はその知識のお蔭であっさり状況を理解したでしょ? まあ、まだ混乱してるみたいではあるけど」  ぺらぺらと語る自称神様が語り終えると、両手を広げてなんとも威厳たっぷりな顔をする。 「大西大河よ、其方の命は一度終わりを迎えた。だが儚く短い人生を迎えた其方にチャンスをやろう」 「お、おう」  突然のキャラ変更にそれしか出ない。 「……やっぱ変?」 「俺的には最初の方が親しみある」 「やっぱりー? じゃあそうさせてもらうねー」  急に明るい口調に戻る自称神様は、どこから取り出したのか分からない座布団を二枚出すとその場にドカッと座る。  丸いちゃぶ台に湯飲み二つ、あと煎餅の入った皿を出した。 「まあまあ、すわってすわって」
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