知らなかったのか、ガチャからは逃げられない。

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 言われるがまま座ると自称神様が好き勝手に喋り出した。  まず分かったのは、彼がデウスだということ。  良くゲームなんかで出てくる名前で、聞き覚えあったのだが……なんか、こう……これじゃない感が酷い。 「あー良く言われるよ。部下の天使も『もっとちゃんとしてください』って言ってくるね」 「直さないの?」 「まあ、見た目とか口調だけ直しても僕は僕だからね。それに人間が作ってる僕の人物像だって結局は、願望とか妄想が混じってるから正しくないんだよね」 「そういうもんか」 「そうそう。で、こっから本題なんだけど」 「あ、さっきチャンスがどうとか言ってたね」 「そうそれ! 平たく言うと異世界転移……興味ない? いってみたくない?」 「行きたいな」 「よし! まずは一個目おしまい!」  ガッツポーズをして何やら意気込むデウス。 「え、それだけ?」 「うん、続きはあるけどね。 まあいわゆる本人確認みたなところ? 勝手に転生させる神様もいるみたいでさ、苦情来てるんだよねー。だからちゃんと確認取ってから送るようにしてるってわけ」  溜息を吐きながら煎餅をむさぼるデウス。  すでに胡坐すらやめて、片膝を立ててだらしなく座っている。 「で、君にはいくつかの選択肢がある。一つはこのまま地球で転生。この場合ランダムで生まれが決まるし、記憶も引き継げないからそれを選んだ瞬間君の意識は消えるよ。  二つ目は異世界に、新しく生まれて一から人生を謳歌する。これの場合記憶の維持か、記憶だけ消して一からって選べるよ。君個人の意識は消えないからそこは安心して?  で、三つめなんだけど、僕のお願いを聞いてくれるお手伝いさんとして特殊能力を持って転生するていう選択肢だね」  お茶をすすりながら話を聞く。  ふむふむ、二番目の場合赤ちゃんの見た目で、中身は今のままというパターンと記憶を失ってある意味ゼロからのスタートって選べるのか。  三番目がちょっと気になるな。
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