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「あのさ、仮にも神様の力を魂と一緒に渡して問題が起きないと思ってるの?」
言われてドキッとした。
確かに人間に、超常的な存在である神様の力をくっつけて問題が起きないと考えるのは難しい。しかしそうなると、三番目の頼みを受けた場合俺はその問題を抱える事になる。
「君単体であれば僕の力を渡す方法もあるよ。だけど、新しく生まれ直すとすると、君は良くても生みの親である母親に、良くない影響が出る可能性があるんだよ。……まあ、最悪死んじゃうかもね。それも神威の余波で苦しみながら」
うーん、それは嫌だな。
前世では母親が居なかったから、来世では母親にはぜひ楽をしてほしい。
「じゃあ、どうするんだ?」
「そこで考えたのは、君を捨て子として転生させて、孤児院に入れる。そのまま八歳の子供になるまで過ごして、その後、裕福な家庭に養子として迎えられるという設定を用意しましたー!」
どんどんぱふぱふー、と口で言いながら手を叩く。
「あ、ちなみに君の主観では、八歳になったら目を覚ますくらいの感じだから、一から八年間過ごすわけじゃないよー」
そう言いつつデウスがどこかの家族写真を見せた。
「これは?」
「君の転生先予定の家族で、母親がメアリー=シュミット、父親がローガン=シュミットこの二人は実に仲睦まじい夫婦なんだけど、悲しい事に奥さんは病気の影響で子供が出来ない身体なんだ。そこに君を養子として迎え入れる運命としてねじ込む」
「ねじ込むって……良いのかそんなことして」
「そうでもしないと彼らは一生子供に恵まれず二人で老衰して死ぬだけだもん」
「う……」
どうやら彼にはこの夫婦の運命が見えているらしい。
「だから、君には母体に悪影響を与えるデメリット無く転生してもらいつつ、僕の神威をこのリィンソードに運んでほしい。それだけでこの世界の寿命が千年は伸びる」
まじか、それだけで千年伸びるのか。
だとしたら断る理由もないな。母親にも悪影響が無いのなら尚の事だ。
「それならデウスの仕事を手伝うのも吝かじゃないんだけど……、特殊能力について教えてもらっていいか?」
「おっとそうだったね! チート能力の説明がまだだったね!」
内心ワクワクしながら彼の言葉を待つ。
「君のチート能力はずばり! ガチャだよ!!」
「は?」
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