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ああ、またか。
自分の状況を確認して一番最初に思った事はそれだった。
枷に繋がれた足首からは鎖が伸び、ベッドのポールに繋がれている。
左右の手首にも革製のしっかりとした手錠がはめられている。
多分意識を手放す直前に焼ける様な痛みを感じたのでスタンガンでも当てられたのだろう。今でも肩のあたりがひきつれた様に傷む。
この状況に慣れつつある自分が、嫌だった。
この部屋が誰のものかは分かっている。
俺にスタンガンを当てたのも恐らくそいつだ。
「ああ、起きたぁー?」
間延びした、ふざけた喋り方をする男が部屋に入ってきた。
その顔には終始笑顔が張り付いているが、目は死んだ魚の様に濁っている。
多分、こいつの中で目に現れている様な淀みが爆発したのだろう。
理由は知らない。
最初のうちは、理解しようとしていた。
話を聞いてみた事もある。
だが、突き詰めてしまうと俺が日常生活を送っている事が気にくわないそれが理由なのだ。
最初の拉致監禁の事もあって、こいつをなるべく怒らせない様に等と考えていた時期もあったが、結局こいつはこっちが気を使おうが使うまいが、ある日突然プッツンしてこうやって俺を閉じ込めてしまうのだ。
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