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「では、次は新入生代表の挨拶を────」
入学式はつつがなく行われた。
式場にあの女の姿は見当たらない。
自宅にいるか、王都から抜け出そうとしているだろう。
式が終わったら、探しにいくとしよう。
「姉上!」
聞き馴染んだ声に振り向けば、そこには私に向けられた目映い笑顔。
私の可愛い弟。
「ふふ、代表の挨拶見ていましたよ。とても、立派でした」
「本当ですかっ!? 僕、姉上が見てるから頑張ったんです!」
私は昔と同じようにその髪を撫でると、弟は嬉しそうに頬を緩めた。
「流石は貴女の弟君ですね。これから楽しみです」
そんな私達を暖かい目で、見守る友人達。
満たされた暖かい世界。
でも、この世界がとても脆い事を私は知っている。
だから、私は──
「──死ねェッッッッッ!!!!!!!」
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