4話

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「”ろっ──“」 「黙れ、屑が。姉上の姿をお前ごときがその薄汚い目に写しているだけで、吐き気がする。次などあるわけがないだろう」 弟が王太子が持っていた剣を奪い取ると、女が呪文を唱え終わる前にその首を落とした。 ピクリとも動かなくなる女。 「大丈夫ですか姉上っ!? 全く警備は何をしているんだ、このような不審者を学園に入れるなど」 前の世界ではあんなにあの女を愛していたのに、今は視界に入れる事すらしない弟。 「お前が無事で良かった……おい、早くそれを片付けろ」 私の肩を抱き、周囲の騎士達に指示を出す王太子。 「何だったんですかね、あの女……まさか、殿下の婚約者に手を出すなどと……貴女が人に恨まれるような事をする筈がないですし、きっと殿下に懸想した者の犯行では? それにしても……貴女が無事で本当に良かったです」 貴女はこの国に無くてはならない人ですから、と私を労る友人達。 かつてとは、大違いだ。 「えぇ、皆様、私をお助け頂きありがとうございます」 あの女は本当に死んだ。 これでこの世界はもう覆らない。 本音を言えばもう少し遊んでもよかったが、別にもういいだろう。 だって、私はようやく望んだ結末を手に入れる事が出来たのだから。 ありがとう。 貴方のお陰で、私大切な事に気付けたの。 「皆様のような方々が側に居てくださって、私本当に幸せ者ですわ!」 この脆くも美しい世界を守る為ならば、手段を選らんではいけないって。 本当に大切なものならば、持てる力を全てを使って守らなければね。
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