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2話
「うふふ」
「……どうなさったのですか? 随分とご機嫌ですわね」
突然笑みを浮かべた私に、仲の良い友人は訝しげな顔をした。
今日は入学式から、一ヶ月。
学園全体で行われる舞踏会の日だ。
「今日はとても楽しい催しがあるのよ、貴方も楽しみにしているといいわ」
私は手元のグラスを回した。
中の透明の液体が、シャンデリアの光を受けてピカピカ輝いて見える。
ふふふ、本当に楽しみだわ。
ほんの少し前までの私は恐怖と絶望で一杯だったのに、今は楽しくて仕方がない。
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