兄との約束

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僕は少しだけその手紙を凝視したあと、 「分かりました、必ず届けます。」 と言い、手紙を兄から受け取った。 その時に兄は呟き程度の小さな声で「頼む。」とだけ言った。 そして、僕はその手紙を持って兄の部屋から出ていった。 襖を閉める時、兄が「ふっ」っと僕の顔を見て軽く笑ったのが見えた。 それが兄との最後の会話と最後の兄弟二人だけの時間となった。
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